2024年の始まりは、大きな地震と大きな事故からでした。
死者200人を越し、安否不明は100人超、避難者数3万人。
飛行機事故の方は、死者5人。損失も大きいです。
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
被害に遭われた方に一日も早く安全と平穏が訪れますように。
みなさまも大丈夫でしたでしょうか?
この大地震と大事故、これが日本の新年を暗示しているのか・・・・?
備えても備えても、大災害は免れることはできないのか・・・・・。
でも、ここに感じられたのは、絶望感だけではありませんでした。
粛々と対応する日本人の悲壮な決意。
よくがんばったと。 どうかがんばってくれよと。
心は折れない。
折れてはいけません。
余震は続き、劣悪な環境による二次災害も起こり得ますが、
特に被災者の心を折らせてはいけないです。
BBCの記事を見たら元気が出ました。↓
海外から一歩俯瞰してくれているからでしょうか。
激励とも取れます。
記事抜粋
>街全体を見渡すと、伝統的な木造住宅が地面に倒れ、粉々になっている。こうした家屋は、日本の絶え間ない地震に耐えられるようには造られていなかった。
>過去12年で最も大きな今回の地震の震央にこれだけ近づくまで、私たちには2日かかった。深刻に寸断された道に行きあたり、戻るのを何度繰り返したか分からない。
救援活動も、こうした事態で遅れている。災害救助犬を伴った救助隊が輪島市に到着したのは、私たちのわずか数時間前だった。
2日かけて到着して取材して記事が上がった日付が1月4日。地震当日もしくは翌日から取材に向かってますよ。この女性はBBCの東京特派員?本国から?それにしてもBBCは世界の方々、津々浦々の現場まで取材しに行く、すごい報道精神です。
「災害救助犬を伴った救助隊が輪島市に到着したのは、私たちのわずか数時間前だった。」と記事になっていますが、焼け跡の画面に映された消防隊、救助隊の背には「奈良県広域消防」とあり、BBC記者の到達時にはすでに鎮火してました。災害現場にはいろんなユニフォームの救助隊が既に活動していて、日本の災害救助体制もすごいなと思いました。地震被害があれば、近隣,遠方、あらゆるところから迅速に支援に来る。
災害にいくら備えても備えても、自然はそれを軽々と超えて来ます。
けれども、被害を最小限に抑えるためのたゆまぬ努力がなければ、もっと大きな災害になっていた、なるだろうというのは確かです。
記事抜粋
>非常に大きい被害が出ている。それでもこの地震は、このような災害で被害をなるべく少なく抑えようとする日本の、見事な成功物語でもある。
>100年前の震災では、東京の広範囲で多くの建物が崩壊した。欧州式のれんが造りの建物は、ひとたまりもなかった。 この経験を機に日本では市街地建築物法が改正され、初の耐震規定が盛り込まれた。
>日本では、強い地震が起きるたびに、被害状況の調査をもとに、耐震基準が強化されてきた。特に飛躍的な改善となったのは、1981年施行の「新耐震設計基準」だ。
>これほどの地震を経験しながら、もっとひどい被害が出ない国は、地球上では日本以外、考えにくい。
これからもそうでありたいです。
記者の奥さんが81年以降に建てられた物件にこだわったのは、「崩壊しない」信頼。
写真に、崩れた大地とひっくり返った家が見えます。住居環境としてはもう住めない土地、住めない家です。
ところが、ひっくり返った家の住人はおそらく中身はひっくり返っても命は助かったことでしょう。
崩れた大地の上で家がシェルターとなって無事転がっているように見えます。
ひっくり返ったマンションもありましたが、こちらもマンションが自壊せずにマンションの姿のまま転がっていました。マンションの住人の生存の可能性はあります。
(悲しいことに倒れたマンションに押しつぶされた家に住んでいた方はなくなってしまいましたが。。。)
最近の海外の大地震の事例を見ると、バラバラに倒壊したレンガ造りの家やコンクリートの高層建築がまさに住む人を一瞬で殴り押しつぶす凶器となっています。家自体が絶望的な凶器。
ブロック塀が崩れるのは震度5強からですから、レンガ造り石造りの建物が崩壊するのもこれくらいか?一方耐震性の低い木造家屋でも傾いたり倒れたりするのは震度6強から。
つまり日本の伝統家屋は伝統なりの耐震設計なわけですよ。また木造の家は倒れても隙間ができやすい。さらに81年以降の新耐震設計の家ならば、震度7でも崩壊しない設定。
大地の荒波に浮かぶシェルターのように、転がっても中の人を守る信頼性を持っているようです。
記事抜粋
>国土地理院によると、輪島市西部で最大約4メートル(暫定値)の隆起、最大約1メートル(同)の西向きの変動がみられるという。
>地震多発国の日本は、揺れる地面を観測する技術がきわめて優れている。だからこそ、これほど正確に計測できるのだ。
>地面が特に大きく動いたのは、能登半島の西側だった。沿岸部の海底が動き、高さ約80センチの津波が発生した。偶然の産物として、地面の隆起によって、沿岸到達時の津波の威力が軽減された可能性もある。
>石川県内で5日までに確認された死者は92人に達し、捜索救助活動は続いている。損害予測モデルは、最大100人規模の被害を想定している。犠牲者はたとえ1人でも多すぎるのだが、それでも地震の規模を思えば、驚くほど少ない。
>昨年2月にトルコ南東部で起きたM7.8の地震との比較は、意義のあることだ。解放されたエネルギーは今回の地震とほぼ同レベルだが、トルコとシリアでの死者数は5万人超に及んだ。2010年までさかのぼると、ハイチで起きたM7の地震では10万人以上が亡くなった。
>違いの理由は簡単だ。備えが違うのだ。
褒めていただけてありがたくはあるのですが、日本にはすでに必ず起こると予期された大地震がいくつもあります。それらはけして避けられません。莫大な数の死傷者、被災が想定され、日本は大きなダメージを負うでしょう。備えても備えても足りないでしょうけれども、それでも備えなければなりません。
(今回は能登半島という地理的特性が、万人単位の被害を百人単位に縮小できた要因でもある?)
最初、津波は5メートルになるだろうとの予想がありました。ところが1.2mほどだった。(記事では80cm)
気象庁が大きく見積もったのかとも思ったのですが、記事によると海岸線が4m隆起したのだとか。凄すぎる。しかし
5-4=1
不幸中の幸いでしたね。津波は1mでした。
隆起したおかげで港が陸地になって海路が絶たれている弊害もありますが。
大災害と大事故で始まった日本の2024年ですが、
災害の中でもそれでも守られている感じがします。みんなで守っている感じもします。
(航空機事故も乗務員と地上スタッフで守った。難燃性の機体の開発者も命を守った。)
だから心は折れないと信じたい。
一次被害は去りましたが、被災者の二次被害はまだ始まったばかり。
寒波がきて雪が降り、孤立し、水も電気も食料も不足し、暖を取る術もない被災者が大勢います。
後にインフラが復旧されたとしても、住居と生活の基盤が戻るのはもっと後。
大震災を何度か経験した日本なりの復興ノウハウは蓄積されてはいるでしょうが、
道のりは長く、これから来るだろう災害も目白押し。
それでも心折れずに粛々と備えるしか、ないのですなぁ。
>ここ能登半島では、「大地震」は起きないだろうという人々の希望が打ち砕かれてしまった。
>地球の巨大な力の前に自分たちはなすすべがないのだと、輪島市の人たちはあらためて知ることになった。自分たちは不運なことに、環太平洋火山帯の上に住んでいるのだと。
BBCはそうおっしゃりますが、ここでは大地震は起きないだろうと日本人は思っていないんじゃないかな。ここは大丈夫だろうとは思っていないんじゃないかな。
けれども毎回あらためて思い知りはします。
「地球の巨大な力の前に自分たちは叶わない」
でもなすすべはなくはない。
>自分たちは不運なことに、環太平洋火山帯の上に住んでいるのだと。
不運とも思ってないですね。環太平洋火山帯の上の日本に生まれたのはご縁であり宿命。頂いた命と環境です。むしろ選ばれたかもしれない。
予告された自然災害でも、予期せぬ大事故でも、できるかぎり被害をなるべく食い止めるために、何かしら手だてを立てて、がんばるわけです。
>犠牲者はたとえ1人でも多すぎるのだが、それでも地震の規模を思えば、驚くほど少ない。
犠牲者はたとえ1人でも多すぎる・・・・この表現は好きです。一人も犠牲になって欲しくない気持ちが伝わります。
批判はあるかもしれませんが2日かけて被災地入りして取材をして、意味深い記事を書いてくれたBBCには脱帽です。こういう記事を書いてくれるなら、「これは報道である」と言いたい。
さすがイギリス。
ちなみに、飛行機事故が起こっても、大地震が起こっても、韓国からの日本旅行のキャンセルはそれほど多くないらしいです。
あの、放射能放射能と騒いでいた韓国、行きません買いませんをしていた韓国がです。
全員無事に脱出させたことへの評価でしょうか。地震にも対応している評価でしょうか。
日本はまだ信頼性を保ってます。
日本に住む一人一人が、日本の体力、国力の源なわけです。